次世代の女性研究者を支援する「Sony Women in Technology Award with Nature」の最終候補者を発表
2024年11月21日
ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)と Nature は、「Sony Women in Technology Award with Nature(ソニー・ウィメン・イン・テクノロジー・アワード・ウィズ・ネイチャー)」の最終候補者を本日公表しました。この7名の候補者の中から3名の受賞者が選出され、2025年2月5日に東京で開催される授賞式で発表されます。
Sony Women in Technology Award with Nature は、ソニーとNatureにより今年3月に新たに設立された賞です。テクノロジー分野において活躍するキャリア初期から中期の女性研究者を表彰し、世界にポジティブなインパクトをもたらす研究活動を推進するための賞金 250,000 USドルが各受賞者に授与されます。
初年度の公募では、社会をよりよくする技術革新を先導し、様々な分野に精通する世界中の研究者からハイレベルな応募がありました。以下の7名の研究者は、独立した選考委員会により、その課題の難度や革新性、優れたコンセプト、影響力、社会的意義などの観点から、受賞の最有力候補者に選ばれました。
<最終候補者 一覧>
- Kiana Aran 氏 (アメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校)
カリフォルニア大学サンディエゴ校のバイオエンジニアリング・薬学教授、博士。精密医療の発展に向けた現代工学と生物学の融合の先駆者で、米国発明者アカデミーからの表彰を含む、多くの工学技術や製品に関する賞を受賞。Cardea社 (現在はグラフェン・バイオセンターにより買収された)や、ゲノム編集の精度向上に取り組むCRISPR QC 社の共同設立に携わった。多様性を守るため、女性エンジニアの指導を行う非営利団体を設立し、国際的な科学協力の推進にも取り組んでいる。
- Hatice Gunes 氏 (イギリス・ケンブリッジ大学)
ブルガリア出身で、家族の中で初めて大学に進学し、イスタンブール工科大学でコンピュータサイエンスを専攻。AIESECでのインターンシップを経て、オーストラリア政府による栄誉ある奨学金を得て、シドニー工科大学で博士号を取得。その後、インペリアル・カレッジ・ロンドン、クイーン・メアリー大学で職務を経験し、現在はAI・ロボティクスの教授として、ケンブリッジ大学のAffective Intelligence and Robotics Lab(AFAR)を率いている。
- Jiawen Li 氏 (オーストラリア・アデレード大学)
アデレード大学で血管内イメージングのプログラムを率いるバイオメディカル工学者。 2010年に浙江大学で学士号、2015年にカリフォルニア大学アーバイン校で博士号を取得。その革新的な取り組みにより、オーストラリアの国立保健医療研究評議会のフェローや、国立心臓財団のイノベーションアワード、ロレアル-ユネスコ女性科学賞に選出されるなど、数々の受賞歴がある。
- Amanda Randles 氏 (アメリカ・デューク大学)
高性能コンピューティング、機械学習、および疾患診断と治療のための個別モデリングを専門とし、デューク大学のバイオメディカル・サイエンスの助教授であるアルフレッド・ウィンボーン・モルデカイとビクトリア・ストーバー・モルデカイの准教授を務める。ACM Prize in Computing、NIH Pioneer Award、NSF CAREER Awardの受賞者。ハーバード大学で応用物理学の博士号を取得し、大学院入学前はIBMのBlue Geneスーパーコンピューターのプロジェクトに従事した経験がある。
- Yating Wan 氏 (サウジアラビア・アブドラ国王科学技術大学)
オンチップ光源の統合を専門とする、アブドラ国王科学技術大学の助教授、博士。インテル®リサーチセンターにおけるヘテロ集積量子ドットレーザーの研究を通じて、シリコンCMOS互換光源の実現に大きく貢献した。通信およびコンピューティングにおけるフォトニクス技術の効率と応用可能性の向上を目指す。
- Ying Wu (サウジアラビア・アブドラ国王科学技術大学)
2002年に中国・南京大学で物理学の学士号を、2008年に香港科技大学で博士号を取得。博士研究員としての研究を経て、サウジアラビア・キング・アブドゥルアズィーズ科学技術大学(KAIST)に入職。助教授から2017年に准教授、2024年に教授となった。遮音、放射制御、エネルギー吸収など、波動の挙動を操作するための人工材料の設計の研究に重点を置く。
最終候補者についての詳細は Sony Women in Technology Award with Natureの公式Webサイト をご覧ください。
<選考員のコメント>
審査員会 共同議長 Dame Stephanie Shirley CHのコメント
真の技術進化には多様な視点からの貢献が必要になります。1960年代に、私自身がIT起業家としてのキャリアを歩み始めた時から、テクノロジー分野におけるジェンダー表明は改善してきましたが、まだ長い道のりです。審査員会の共同議長として、ハイレベルな応募があったことに感銘を受け、今回の最終候補者を選考できたことを光栄に思います。
ソニーグループ株式会社 執行役 副社長 CTO 北野 宏明のコメント
私たちはNatureとともに、文明の進化を支える革新的な研究とテクノロジーを追求する女性研究者を称え、支援するこの賞を立ち上げました。実世界の課題を解決する、多くの画期的かつ多分野的なアプローチが見られたことは大変喜ばしいことでした。初年度において、世界中から優れた研究者による熱心な応募が提出されたことを光栄に思います。そして、受賞者が新たなマイルストーンに達することを楽しみにしています。
<ソニーグループ株式会社について>
ソニーグループ株式会社は、テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンタテインメントカンパニーです。ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画、エンタテインメント・テクノロジー&サービス、イメージング&センシング・ソリューション、金融などの事業を展開し、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」ことをPurpose(存在意義)としています。
詳細については、https://www.sony.com/ja/をご覧ください。
<ネイチャーポートフォリオについて>
ネイチャーポートフォリオは、生命科学・物理学・化学・応用科学など多岐にわたる分野で高品質のジャーナル、オンラインデータベース、研究者を対象としたサービスなど、科学界への貢献を目的としたサービスから成るポートフォリオを提供しています。
1869年創刊のNature は、世界有数の週刊の国際科学雑誌です。さらに、ネイチャーポートフォリオは、Natureリサーチ誌とNatureレビュー誌をはじめ、オープンアクセスの主要な学際的ジャーナルであるNature Communications 、Scientific Reports など、研究機関と学会の協力によるNature Partner Journalsも出版しています。これらのジャーナルには、世界で最も重要な科学的発見が掲載されています。
オンラインのnature.comには、1カ月当たり900万人を超えるユーザーが訪れ、Nature のニュース記事やコメント記事、そしてNature Careersなどの科学求人サイトにアクセスしています。また、ネイチャーポートフォリオは、オンラインおよび対面によるトレーニングや専門家による英文校正サービスなど、さまざまな研究者支援サービスも提供しています。
詳しい情報については、nature.comをご覧いただき、 @NaturePortfolio のフォローをお願いいたします。ネイチャーポートフォリオは、シュプリンガーネイチャーの一部です。
<シュプリンガーネイチャーについて>
シュプリンガーネイチャーは、180年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、公開するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心を持つすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良サービスを提供します。
学術出版社として、シュプリンガーネイチャーは、シュプリンガー、ネイチャーポートフォリオ、BMC、Palgrave Macmillan、Scientific Americanなどの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.comをご覧いただき、@SpringerNatureのフォローをお願いいたします。
【本件に関するお問い合わせ先】
ソニーグループ株式会社 広報部: Sony.Pressroom@sony.co.jp
シュプリンガーネイチャー コーポレート・アフェアーズ 宮﨑 亜矢子: ayako.miyazaki@springernature.com